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MRの志望動機って
はじめに、簡単に自己紹介をします。
・学歴:早慶文系
・職歴:外資MR→コンサル→メガベンチャー経営企画
・MR時代:外資の新薬メーカーで約4年北関東の大学病院担当
・現職:広告系メガベンチャーの経営企画として事業計画策定やP/L管理など
という筆者です。
自身のMR経験を踏まえてMRのキャリアについて情報発信をしています。
MRのキャリアパス・キャリア戦略については下の記事もご覧ください。
さて、今回の記事は面接での志望動機についてです。
製薬会社の営業担当であるMR(Medical Representative)は高収入・高待遇・安定性が相まって人気職種の一つです。
この記事を読んでいただている就活生の方は、少なからずMRに興味を持っている方だと思います。
でも実際にエントリーシートの準備や面接対策をしていると、なかなかいい志望動機が浮かんでこないという方もいらっしゃると思います。
そこでこの記事ではMRを志望する方へ、元MRである筆者が、エントリーシート・面接で使える志望動機をご紹介します!
1)社会貢献度が高い商品を扱うことができる
これはイメージしやすいと思いますが、製薬会社の営業であるMRが扱うのは、当然ながら医薬品です。
医薬品といってもドラッグストアで売っている家庭用のものではなく、病院のみで使われる医療用医薬品です。
様々な種類の医薬品がありますが、MRが扱う医薬品の中には、例えば抗がん剤などの患者さんの生命に直結する薬を扱うこともあります。
どの薬を患者さんに使うかを決めるのはもちろん医師なのですが、その医師が意思決定するための情報をMRが提供するのです。
MRが提供する情報如何では、医師が選択する薬が変わってくることもあり、その意味ではMRも患者さんの生命に関わっているということなのです。
このように、営業マンとして人の生命に関わる社会貢献度の高い商品を扱えるのはMR以外ではほとんどなく、これはMRの大きな魅力の一つだと思います。
2)専門性を高めることができる
上の話からもつながりますが、MRは患者さんの生命に間接的にでも関わる仕事なので、誤った情報提供をすることはあってはなりません。
正確な情報を医師に提供する必要があり、そのためにはMR自身がその薬・疾患について勉強しなければなりません。
このようにMRとしての責任感を持って勉強を繰り返すうちに、医薬品や疾患についてだけでなく、治療法や病院内部の仕組みなど幅広く「医療業界」に関する専門知識が深まっていきます。
これは、患者さんの生命に関わる商品を扱っているというプレッシャーの中に身を置いているMRだからこそ得られる知識だと僕は思っています。
このように他の業界よりも「深く」専門性を磨けるということもMRの魅力の1つだと思います。
3)社会的課題に向き合うことができる
今後、日本ではますます「高齢化」が進んできます。
高齢者が増えるということは、医療への需要が高まっていくことは間違いありません。
しかし、医療にかかる社会保障費は年々増え続け国家の財政を圧迫している状況で、国としての重要な課題です。
この状況下でいかに医療を効率化していくかを検討していく必要があります。
そんな中、MRは日々病院やクリニックなどの「医療の現場」に足を運び、その現状を肌で感じることができます。
「今後の日本の医療はどうあるべきか?」
「MRである自分はどのように貢献できるのか?」
医師や看護師さんなどと日々会話をするなかで、自分なりの考えが生まれてきたります。
このような重要な社会的課題に日々向き合い、それに対して自分なりの行動を起こせるのは、「医療の現場」に対峙し続けるMRならではだと思います。
さらに踏み込んだ志望動機
と、ここまでは割とイメージしやすい志望動機で、ある意味模範解答的なものかもしれません。
面接官をうならせるためには、さらにもう一歩踏み込む必要があると僕は思っています。
4)自分なりの営業スタイルを確立できる伸びしろがある
MR活動は「どれだけ医師に気に入られるかレース」
MRの営業スタイルは、基本的には
「医師に自社の医薬品の情報(良いところ)を伝える」
というものです。

という感じです。
でも、ぶっちゃけ薬の効果は自社製品も他社製品もそんなに大差ないことがほとんどです。
なので、薬の効果を差別化してトークするだけでは自社製品の売り上げが伸びないので、MRたちは何とか医師に処方してもらおうと接待などをするわけです。
つまり、ここで行われているのは結局のところ
「どのMRが医師に一番気に入られるかレース」
なのです。
そしてそのレースに勝つための手段は、接待や講演会登壇(自社が開催する講演会に「講師」として招き、講演料を支払う)がほとんどです。
この状況はもう何十年も変わっていません。(接待は業界の規制上減ってきていますが)
当然、多くの製薬会社が同じことをしているので結局差がつかず、最前線で体を張って接待しているMRは「医師の御用聞き」などと揶揄され、疲弊していきます。
MRの現場はざっくりこんな感じなのです。
でも、今から就活してMRになるみなさんは逆にチャンスだと思いませんか?
こんな古臭い手法が続いている業界なので、これまでと違うやり方をすれば簡単に他社と差をつけられると僕は思っています。
今後のMRが目指すべき姿
たとえば、僕は今後のMRの目指すべき姿として、これまでの「医師の御用聞き」ではなく、「医師・病院のパートナー」だと思っています。
医師との上下関係ではなく、対等に付き合えるパートナーです。
そのために必要なのは、MRが最低限の「病院経営」に関する知識を持つことです。
そして、その知識を元に病院経営コンサルティングをし、医薬品のことだけでなく「病院経営」という広い視点から医師と会話をできるようになることが、「対等なパートナー」の姿だと思います。
僕自身、MRから某コンサルティングファームに転職をして、様々な病院経営コンサルティングを行った実感として、MRこそ病院経営の知識を持つべきだと思っています。
このあたりのお話は、下のnoteにまとめてあるのでよかったら読んでみてください。
と長くなりましたが、もし僕が製薬会社の面接官で、志望者の学生さんから

って言われたら絶対採用すると思います。もちろん、自分なりのスタイルをどのように考えているかは質問しますが。
でも「MR業界のことわかってるな」とか「新しいMR像を見せてくれそうだな」って期待すると思います!
病院経営の知識を得るためのオススメ書籍
今後のMRに必要だと思う「病院経営」の知識について、そのエッセンスを学べる良書をご紹介します。
日本医療企画
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この本は、元マッキンゼーのコンサルタントで医療専門コンサルティングファーム 「メディカルクリエイト」を創業した方が著したものです。
病院経営に関する知識はもちろん、問題解決スキルについても書かれており、とてもわかりやすい良書です。
エルゼビア・ジャパン
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この本はBCG(ボストンコンサルティンググループ)のコンサルタントが著したもので、プロのコンサルタントがどのような視点で病院経営を捉えているかが書かれています。
病院経営のトップ(院長)がどんなデータをみて意思決定をしているのかがわかり、病院経営の現場の一端をイメージできるかと思います。
これらと合わせて、下のnoteもご参考にしてみてください!
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